CNC工作機械の加工精度を向上させる、経済的で実用的なスピンドルの自動キャリブレーションとチャタリング測定ソリューションを提供

製造業では、生産性と品質向上が常に目標となっています。また、「インダストリー4.0」は、インテリジェントな製造業のビジョンと実現を推進しています。この流れを受けて、製造業の基幹生産設備であるCNCマシンの改良が進められています。

プロジェクト紹介

装置メーカーが顧客のニーズを満たすために機械の性能と精度の向上に積極的に取り組んでいる中、機械のキャリブレーション(較正)の精度は加工精度を左右する重要な要素となっています。従来の工場では、機器はすべて熟練した職人によるチェックと校正が行われていました。しかし、複数の製品を生産する工場では、すべての製造装置を製品の種類ごとに再較正しなければなりません。この方法は信頼性が低いだけでなく、非常に大きな労働力と時間のかかる作業です。さらに、チェックプロセス中に発生する予期せぬエラーは、潜在的に加工精度を低下させる可能性があります。

加工品質に影響を与えるもう1つの要因は、『びびり』です。これは通常、深い切削または高速切削中に発生します。工具と被加工物の間の振動は比較的高周波数であるため、それを認識することは難しい場合があります。しかし、チャタリングの特定と解決に失敗すると、工具、スピンドル、ベアリング、その他の重要な部品が損傷し、悪循環に陥ってしまいます。したがって、装置メーカーにとってチャタリングを早期に発見してエスカレーションを防ぐことは、対処すべき必須課題となります。

キャリブレーション時間を短縮し加工精度を向上させるため、装置メーカーは自動キャリブレーションとリアルタイム監視タスクを実施するためのセンシング技術を統合することができます。しかし、元の設計を大幅に変更することなく、既存のCNC工作機械に新しい機能を装備するには、シャーシのスペースの制限やノイズの干渉を克服しなければなりません。また、新機能を搭載しても企業の利益や市場競争力が低下しないように開発コストを管理しなければなりません。コンパクトなサイズ、インストールの容易さ、迅速な開発と検証を提供し、プラグインのインターフェースカードを必要としないことで、アドバンテックのスピンドルキャリブレーションとチャタリング測定ソリューションは、機器メーカーが簡単かつ経済的に新機能を搭載したCNC工作機械を更新でき、前述の問題を解決できます。

システム要件

工作機械の開発・製造で50年以上の実績を持つ台湾の某CNC工作機械メーカーは、卓越した製造技術を駆使して高品質な製品を提供し、国際的に有名な企業から高い評価を得ています。このメーカーは、世界をリードするブランドとして、革新的な新製品を開発し続けているほか、顧客の要求に応じて旧機種の機能を最適化できるよう対応しております。最近では、人為的なミスによるキャリブレーションの問題を解決し、機械の『びびり』による加工精度への影響を防ぐために、既存のマシニングセンターに主軸キャリブレーションと『びびり』測定機能を導入し、一貫したキャリブレーションと自動監視による効率化を図っております。
このプロジェクトでは、新しいモデルを設計するほか、既存のCNC工作機械に新機能を追加するため、機械メーカーが簡単に統合できるソリューションが必要でした。さらに、①:コンパクトなハードウェアと限られた筐体スペースでの設置に対応するマウントサポート、②:ヒューマンマシンインターフェース(HMI)として機能する産業グレードのタブレットPC、③:データ収集のための外部USBモジュール、④:干渉を防ぎ精度を確保するためのノイズフィルタと高分解能と高サンプリングレートを備えたデータ収集モジュール、⑤:さらにIEPEセンサを接続するためのモジュールを備えている必要がありました。また、プロジェクトの実施と市場投入までの時間を短縮するため、ソフトウェア開発ツールとカスタマイズされたサービスを依頼しました。

システム詳細

アドバンテックの自動監視ソリューション(アドバンテックのPPC-3100 ⇒ 10.4インチのファンレス・パネル・コンピュータ、USB-4716 ⇒ データ収集モジュール、ADAM-3017 ⇒ IEPE 信号処理モジュール、※ DAQNavi ソフトウェア開発キット含む)は、工作機械メーカーの様々な要求を満たします。PPC-3100は、ADAM-3017 を搭載した USB-4716 を介して振動データを収集し、主軸の校正やチャタリング測定を容易にするための制御プラットフォームとして機能します。

USB-4716 は、手のひらサイズのDINレールマウント型データ収集モジュールで、プラグアンドプレイ機能、最大200 kS/sのサンプリングレート、16ビットの分解能を備え、USB経由で直接データ転送を行うことができます。また、USB-4716 はUSB接続で電源供給が可能なため、電源コードを追加する必要がありません。また、PCプラットフォームは内部インターフェースカードに対応していないため、USB-4716 はデータ収集に理想的なソリューションを提供します。アドバンテックはまた、特定の周波数範囲の信号をキャプチャするためのR-Cフィルタを搭載したモジュールをカスタマイズしました。これにより、不要なノイズを除去し、システム解析ができる正確なデータ伝送を確保することができます。ADAM-3017は、IEPEセンサを接続するための4~10mAの電圧に対応するIEPE信号調整モジュールです。信号増幅とアンチエイリアシング・フィルタの提供により、ノイズ干渉を防止します。
DAQNavi/SDK は、アドバンテックのDAQ製品用に設計されたソフトウェア開発パッケージで、使いやすいインターフェースでデータ収集と制御システムを迅速かつ簡単に作成できます。さらに、DAQNavi は、システムエンジニアが迅速にアプリケーションを開発できるよう、特に設計された直感的なウィザード、すぐに使えるアプリケーションやソースコードの例、プログラミングなしでできる設定や機能テスト、複数のライブラリやユーティリティなど、多くの便利な機能を提供しています。

導入したアドバンテック製品機器一覧:

  • PPC-3100:Intel Atom® D2550プロセッサ搭載10.4インチ産業用パネルコンピュータ
  • USB-4716:200 kS/s、16ビット、16-ch 多機能 DAQ USB モジュール
  • ADAM-3017:IEPE 信号調整モジュール
  • DAQNavi/SDK:アドバンテックのDAQ製品用ソフトウェア開発パッケージ

システム構成図

結論

その多様な製品ポートフォリオにより、アドバンテックは新しい工作機械の設計や既存の機械の改善に向けた理想的な自動監視ソリューションを多くの顧客へ提供できます。長年にわたり、このCNC機械メーカー側は、インテリジェントなアプリケーションを開発し、機械性能を向上させるため、アドバンテックの製品を幅広く採用してきました。このプロジェクトのために、同社はスピンドルの自動キャリブレーションとチャタリング測定を統合することで、マシニングセンタの更新を目指しました。しかし、この改善は開発コストの増加だけでなく、新しい機械の市場投入までの期間を延長させるリスクにもつながります。

アドバンテックは、経験豊富なプロジェクトマネージャーによる専門的な評価を実施した後、同社のプラグアンドプレイデータ収集モジュールとIEPE信号処理モジュールを実装し、USB-4716 回路をわずか小規模に修正するよう推奨しました。これにより、このメーカーは、機械を再設計することなく必要な機能を費用対効果の高い方法で追加することができました。さらに、収集したデータは、将来的に予防保全やインテリジェント管理アプリケーションを実装する際の参考資料として利用する事にもつながりました。これにより、機械の精度が向上するだけでなく、ビジネスインテリジェンスが強化され、最終的には生産効率が向上にもつながります。

You May Also Like

About the Author: Ryoji.Urata

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です